Staff blog

  • 2021年2月15日
  • 日常

旧日光庁舎の破風には立派な「懸魚」が掛かっています。

「懸魚」(げぎょ)とは、《火伏のまじない》として水に関わるもの(魚や龍)を彫刻したものを掛けたものです。
さらにまじないとしてだけではなく、構造上も重要な役割があります。
切妻造の屋根や破風は、直接風雨にさらされるため木が腐食しやすくなります。
懸魚を掛けることで風雨が直接当たることを防ぎ、木の腐食も防ぐことができるのです。

旧日光庁舎
旧日光庁舎

こちらは、旧日光庁舎のものです。飛龍と波が彫られています。
上の写真の龍は体の部分が魚のような形をしていますね。うろこも魚のようです。
下の写真の龍は足もありうろこは尖っていて、ひげなどの細部まで細かい細工がされています。
波の形も違い、丁寧に造られたことが分かります。

建物の上部(屋根付近)にあり、さらに建物側面に掛けられているため、あまり目にすることもないかもしれません。
古い木造建築物、特に寺社には必ずついていると思いますので、これからは少しだけ上を見上げてみてください。
それぞれに違った「懸魚」が掛けられているので、それを探すのも楽しいかもしれません。